21ツインパワーSW4000XG｜シム調整&ベール交換でガタ付き軽減と滑らかな巻き心地へ！【《シマノ》オーバーホール記録】

こんにちはgearshopです。
｟シマノ｠21ツインパワーSW4000XGの
整備レポートとなります。

今回は定期メンテナンスご希望でしたので状態確認しオーバーホールをしていきます。

〜状態確認〜

• 巻き感は若干のシュル音ノイズ
• ベールが曲がっており回転時少しガタつく
• ハンドルのガタ付きが少しある

動作確認では大きなゴロつきないですが若干ノイズが気になる程度でした。ご依頼主様はあまり気にされていませんでしたがベールの曲がりも確認されパーツ交換も提案させていただきました。

分解

分解していきます。ベール曲がりはありますがその他のローターや周辺パーツの傷はありませんでした。
ローターを外しワンウェイクラッチ周辺も確認します。
ワンウェイクラッチは逆回転やノイズの原因になりやすいですが今回は大きな問題ない状態です。

ローラークラッチインナーの錆やOリングなども確認していきます。
Oリングは劣化により切れてしまうこともあります。その際はパーツ交換をおすすめすることもあります。

ボディを開けていきます。黒く汚れたグリスが付着している状態です。
SW機はボディ内部にボディシールというゴムパッキンのようなものが入っています。
この部分も劣化することがあります。

内部も汚れてしまったグリスがみられますがパーツ破損等ない状態です。

メインシャフトもしっかりチェックしていきます。
負荷がかかり過ぎたり、磯での転倒等による破損や曲がってしまうことが多いです。
今回は特に問題なく綺麗でした。

ドライブギア、ピニオンギア、中間ギアもチェックしていきます。
摩耗や欠損はないですが汚れの付着を多くみられます。

ウォームシャフトやガイドシャフトも汚れが多くみられます。

分解完了です。全体的に状態は悪くないですが内部はやはり汚れが多いです。
今回は水の侵入等ないですがSW機は過酷な環境で使用されることが多い為水が入っているケースも少なくありません。

洗浄&組み上げ

分解後はしっかり洗浄していきます。
汚れが多い場所や古いグリスなど洗浄を行い綺麗にしていきます。

ベアリングも動作確認を行い回転不良とノイズが確認されるものは交換していきます。

• ドライブギアベアリング左右
• ピニオンギア上下
• ハンドルノブギア×2

今回は6個のベアリングに動作不良がみられたので交換していきます。
SW機は硬めのグリスが塗布されていることがありグリスが混入してしまい動作が重くなることもあります。一つ一つ確認し状態に応じて交換が必要です。

ギアも洗浄後各ギアに応じて粘度のグリスを塗布していきます。
SW機はパワー重視、負荷がかかることが多い為、少し硬めのグリスを塗布していきます。
ドライブギア、ピニオンギア、中間ギアとそれぞれグリスを使い分けていきます。

ウォームシャフトもガイドシャフトもグリスアップし組み上げていきます。
経年劣化などによるギアのクリアランス不良によりハンドルのガタ付きなどが起こることがあります。
シムにて調整を行いガタ付きを軽減していきます。

組み上げながらシムを入れ微調整を行なっていきます。

ローターを組み上げ、回転確認を行いクリアランスの確認をしていきます。
ガタ付きもなくなり、かなり滑らかな回転になりました。

※左が曲がっているベール、右が新品。

今回はご依頼にはありませんでしたが確認時にベール曲がりがありました。
ご依頼主様に確認しパーツ交換を行なっていきます。
多少の湾曲ですが回転時にローターのガタ付きなどの影響が出てきます。
今回曲がった経緯は分かりませんが転倒や磯にぶつけたなどで交換のご依頼も少なくありません。

ハンドルノブ内のベアリングも確認後交換していきます。
ここはノイズや摩耗しやすい部分になりますので交換していくことが多いです。

ドラグ座金もチェックしていきます。
洗浄してドラググリスを塗布していきます。グリスが抜けてしまうとドラグが滑ってしまったり、スムーズなライン放出にならないことがあります。

最後に全ての動作確認を行いメンテナンス終了です。
回転も滑らかになり、ハンドルや回転時のガタ付きも軽減しました。
ベイトリールもそうですがスピニングリールはグリスアップやシムの調整でガタつきがなくなり、かつ巻き心地が改善します。
ご依頼、ご相談お待ちしておりますのでぜひよろしくお願いします。