【ダイワリールの定番トラブル】リールの逆転現象を徹底解説|シマノでも発生する原因はクラッチにあり

根掛かりを外そうと強く引いた瞬間、突然ハンドルが逆回転し始めた!!!
ルアー釣りをしている方なら、一度は経験したことがあるかもしれません。特にダイワリールユーザーの間では「定番トラブル」として知られているこの逆転現象。実はシマノリールでも発生します。
リールオーバーホール専門店「gearshop」を運営する私たちは、たくさんのリールを整備していますが、このトラブルの相談は非常に多く寄せられます。
今回は、リールの逆転現象について、その原因から対策まで、プロの視点で徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたのリールがなぜ逆転するのか、そして何をすべきかが明確になるはずです。
リールの逆転現象とは?|症状と危険性

突然止まらなくなる逆回転
リールの逆転現象とは、ハンドルが逆方向に回り始め、止まらなくなる症状です。
通常、スピニングリールやベイトリールには「ワンウェイクラッチ」または「ローラークラッチ」と呼ばれる逆転防止機構が内蔵されており、ハンドルを巻く方向にしか回転できないようになっています。
しかし、この機構が故障すると、魚が引っ張った際やロッドをあおった瞬間に、ハンドルが逆回転し始めてしまうのです。
逆転現象が起きるとどうなる?
釣果への影響
- ドラグが機能しない状態になる
- ラインテンションが急激に緩む
- 大物とのファイト中にバラシが発生
- キャストの妨げに
リール本体へのダメージ
- 内部ギアに過度な負荷がかかる
- 修理費用が高額になるリスク
特にオフショアジギングやバス釣りのビッグベイトゲームなど、負荷のかかる釣りでこの症状が出ると、一瞬で大物を逃すことになります。
【ダイワリール】定番トラブルの正体|ワンウェイクラッチ構造

なぜダイワリールで頻発するのか?
ダイワリールの逆転現象は、SNSや釣りフォーラムでも「またか…」と言われるほど定番のトラブルとして知られています。
これは決してダイワのリールが低品質というわけではありません。むしろ、ダイワリールのワンウェイクラッチの構造的特性に起因しています。
ワンウェイクラッチの仕組み
ワンウェイクラッチは、カム面とローラー(またはニードルベアリング)が接触することで、一方向にだけ回転を許可し、逆方向をロックする精密機構です。
正常時の動作
- ハンドルを巻く方向に回転:ローラーが滑って空転し、動力を伝達
- 逆方向に負荷がかかる:ローラーが食い込んでロック、逆転を防止
この「食い込み」の接触面圧が低下すると、逆転を止められなくなります。
ダイワリールで逆転が起きやすい理由
ダイワのワンウェイクラッチは、高い回転性能を実現するために繊細な設計になっています。その反面、以下の要因で不具合が出やすい構造とも言えます。
- クラッチリングとニードルベアリングの精密な接触
- グリスやオイルの影響を受けやすい
- 経年劣化による接触面の摩耗
つまり、性能を追求した結果としての「副作用」なのです。
【逆転現象の原因】クラッチトラブル5つのパターン
原因①:過剰なオイル・グリスの侵入(最多)
これが最も多い原因です。
リール内部に多量のオイルやグリスを注すと、それがワンウェイクラッチ内部に流れ込みます。本来、クラッチ部分は「適度な摩擦」で機能する機構。オイルが入り込むと潤滑が効きすぎてツルツル滑ってしまうのです。
やってはいけないこと
- 「とりあえず全体にオイルをたっぷり注す」
- 分解メンテナンス時にクラッチ部分へ不適切なグリス塗布
- リール内部への過剰な注油
特に自己流メンテナンスで起こりがちなトラブルです。
原因②:クラッチ内部のサビ・不純物
海水使用後の水洗いしすぎると、塩分がクラッチ内部に侵入し、サビや結晶化が発生します。
また、砂やほこりなどの不純物が混入すると、カム面やローラー表面が削れて接触面圧が低下。これによりロック機能が失われます。
特に危険な使用環境
- サーフでの砂まみれ使用
- 水洗いのしすぎ
- 車のトランクなど高温多湿環境での保管
原因③:ローラークラッチ・クラッチリングの摩耗
ワンウェイクラッチは消耗部品です。長期間使用していると、カム面やローラーが摩耗し、接触面の「噛み合い」が弱くなります。
摩耗が進むサイン
- 巻き始めに「カツン」という遊びがある
- 時々ハンドルが軽く逆転する(初期症状)
- 負荷をかけると「ガクガク」する
この段階で放置すると、完全に逆転が止まらなくなります。
※寒い時期には発生しやすくなったりします。
原因④:スプリングの劣化
ワンウェイクラッチ内部のスプリングが弱ると、ローラーを押さえる力が不足し、噛み合いが甘くなります。
これは経年劣化で避けられない現象ですが、特にダイワのイグジスト、セルテート、ルビアスなどの高回転モデルで発生しやすい傾向があります。
原因⑤:組み立て不良(自己メンテナンス後)
自分でリールを分解清掃した後、ワンウェイクラッチの組み付けミスで逆転が発生するケースも多いです。
よくある組み付けミス
- クラッチリングの向きが逆
- ローラーが正しく配置されていない
- スプリングが外れている
- センター出しができていない
特にシマノのローラークラッチは組み立てが難しく、玉(ローラー)が外れやすいため注意が必要です。
【シマノリールも逆転する】ローラークラッチの特性

シマノは逆転しにくい?それは誤解です
「シマノは逆転しない」と言われることがありますが、これは誤解です。シマノリールもローラークラッチ(ワンウェイクラッチ)の不具合で逆転します。
ただし、シマノのローラークラッチは構造がやや異なり、ダイワと比べて発生頻度が低いのは事実です。
シマノのローラークラッチ構造
シマノは「低摩擦ローラークラッチ」を採用しており、回転性能と逆転防止性能のバランスを重視しています。
ダイワとの違い
- カム面の角度・形状が異なる
- ローラーの材質・配置が違う
- グリス量の管理が厳密
- 定期的なクラッチの構造の見直し、改良
そのため、オイルの影響を受けにくく、逆転トラブルの発生頻度は低めです。
シマノで逆転が起こるパターン
それでもシマノリールで逆転が発生するケースは以下の通りです。
原因
- 長期使用によるローラークラッチの摩耗
- 分解メンテナンス後の組み立て不良
- 内部への異物混入
- 純正以外のグリス・オイル使用
- 玉抜き(改造)
ステラ、ヴァンキッシュ、ツインパワーなど、高級機種でも経年劣化により発生します。
【発生したらすぐ対処】逆転現象の正しい対応方法
使用を中止する
逆転現象が発生したら、基本的には使用を中止してください。
「まだ使えるから大丈夫」と思って使い続けると、内部ギアに過度な負荷がかかり、他のパーツまで破損が広がります。結果的に修理費用が跳ね上がることも珍しくありません。
自力修理は推奨しません
ネット上には「ワンウェイクラッチの洗浄方法」などの記事がありますが、専門知識なしに分解するのは危険です。
自己メンテナンスのリスク
- 部品の紛失・破損
- 組み立てミスによる更なる故障
- 防水性能の低下
- メーカー保証の対象外になる
特にワンウェイクラッチは非常に精密な部品で、わずかなズレでも機能しなくなります。
プロにオーバーホールを依頼する
逆転現象が出たら、リール専門店やメーカーにオーバーホールを依頼するのが最も確実です。
オーバーホールで行う処置
- ワンウェイクラッチの完全分解
- クラッチリング・ローラーの洗浄
- 摩耗部品の交換(必要に応じて)
- 適切なグリス・オイルの塗布
- 組み立て後の動作確認
費用はかかりますが、確実に修理でき、他の部分もチェックしてもらえるため安心です。
プロにお願いしても、該当パーツを再利用して組みつけた場合は摩耗等により再逆転リスクというものは一定数発生します。
【予防が最強】逆転現象を防ぐメンテナンス習慣
釣行後の基本ケアで8割防げる
逆転現象の原因の多くは、日常のメンテナンス不足です。以下を習慣化するだけで、トラブルは大幅に減らせます。
釣行後の3分ケア
- ごく軽い流水でリール表面の塩分・砂を流す(ドボン漬け厳禁)
- タオルで水気を完全に拭き取る
- 風通しの良い場所で乾燥させる
たったこれだけで、クラッチ部分への異物侵入やサビを防げます。
過剰な注油は絶対NG
「オイルを差せば差すほど良い」は大きな間違いです。
適切な注油の原則
- ハンドルノブ:数滴程度
- ラインローラー:専用グリス少量
- ベアリング:数滴程度
特にワンウェイクラッチ部分は「無潤滑」または「極少量の専用グリス」が基本。素人判断での注油は逆転の原因になります。
年1回のオーバーホールが決め手
日常メンテナンスだけでは、内部のワンウェイクラッチの状態は確認できません。
定期オーバーホールの効果
- クラッチ部分の摩耗を早期発見
- 不適切なグリス・オイルの除去
- 摩耗部品の予防的交換
- 新品時の性能に復活
特に海水使用が多い方、週1回以上釣行する方は、年1回のオーバーホールが理想です。
【リールの寿命を延ばす】クラッチを守る保管方法
保管環境が寿命を左右する
リールは使わない時間の方が長いため、保管方法がクラッチの劣化速度に直結します。
NGな保管場所
- 車のトランク(高温多湿)
- 直射日光の当たる窓際
- 湿度の高い倉庫・物置
- 海に近い屋外倉庫
理想の保管場所
- 室内の風通しの良い場所
- 湿度が一定に保たれた環境
- 直射日光が当たらない場所
ドラグは緩めて保管
ドラグを締めたまま長期保管すると、ドラグワッシャーが変形し、間接的にクラッチにも影響が出る場合があります。
使用後は必ずドラグを緩めてから保管しましょう。
オフシーズンこそオーバーホールのチャンス
バス釣りなら冬場、オフショアなら夏場など、釣りに行かない時期にオーバーホールに出すのがベストです。
シーズン開始前に万全のコンディションにしておけば、大事な場面でのトラブルを防げます。
【メーカー別】ワンウェイクラッチの特徴と対策
ダイワリール
特徴
- 高回転性能重視の繊細な構造
- 逆転トラブルの発生頻度が比較的高い
- イグジスト、セルテート、ルビアス、カルディアなど全機種で可能性あり
対策のポイント
- 特に注油量に注意
- 年1回のオーバーホール推奨
- 海水使用後の水洗いによる浸水に注意
シマノリール
特徴
- 低摩擦ローラークラッチで安定性重視
- 逆転頻度は低いが、完全には防げない
- ステラ、ヴァンキッシュ、ツインパワー、ストラディックなど
対策のポイント
- 純正グリス・オイルの使用推奨
- 自己分解メンテナンスは特に注意
- 長期使用機は定期点検必須
- 海水使用後の水洗いによる浸水に注意
アブガルシア(レボシリーズ)
特徴
- ワンウェイクラッチの構造はダイワに近い
- レボロケット、レボMGXなどで逆転報告あり
対策のポイント
- ダイワと同様の注意が必要
- クラッチ洗浄が効果的なケースが多い
【熊本の釣り人へ】gearshopのリールメンテナンスサービス
私たちgearshopは、熊本を拠点にリールオーバーホール専門店として、これまで2,650台以上のリールを整備してきました。
対応可能なトラブル
- ワンウェイクラッチの逆転現象
- ゴリ感・異音
- ドラグ不良
- その他あらゆるリールトラブル
通常納期:約2週間(タイミングや修理の有無によって変わります。)
オーバーホールのお申し込み方法について
お申し込みフォームにご記入いただくことでお申し込みが可能です。
下記のボタンリンクよりオーバーホールのお申し込みが可能です。
まとめ:逆転現象は「予防」と「早期対処」が全て
リールの逆転現象について、重要なポイントをまとめます。
✅ ダイワリールは構造上、逆転トラブルが発生しやすい定番トラブル
✅ シマノリールでも発生する。原因はクラッチの不具合
✅ 最多原因は過剰なオイル・グリスの侵入
✅ 逆転が起きたら即座に使用中止し、プロに依頼
✅ 日常の水洗いに注意
✅年1回のオーバーホールで予防可能
✅ 自己流メンテナンスは悪化のリスク大
ワンウェイクラッチは、リールの中でも特に繊細で重要な機構です。ここが壊れると、ドラグもハンドルも正常に機能しなくなります。
「ちょっと変だな」と思った時が、オーバーホールのサイン。
症状が軽いうちに対処すれば、部品交換も最小限で済み、費用も安く抑えられます。大物とのファイト中に突然逆転して後悔する前に、ぜひ一度リールの状態をチェックしてみてください。
あなたの相棒リールが、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、適切なメンテナンスを心がけましょう。


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